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「理数科」改革案

全国の公立高校において、「理数科」を設置しているところがある。


はたして理数科というものはどのような経緯で設置されるようになったのか。

ネットで検索しても明快な答えを見つけることができなかった。

そこで推測してみた。

「資源小国である日本が、国力をあげ、豊かになるためには科学、工業の発展なしでは考えられない。

よって、数学・理科をより重きをおいて教育する理数科を全国に設置し、人材を育成をすることとする。」


こんなところだろうか。


ネットで調べてみると北海道内で6校、全国で100校を超えるようだ。

日本の理数科設置高等学校一覧


札幌南、札幌北、札幌西、札幌東、札幌旭丘、旭川東、岩見沢東、小樽潮陵
などは理数科を設置していない。

はたして設置された高校とされていない高校はどのように違うのか。


さらに思うのは、理系方面のみが人材育成として必要なのだろうか。

文系の特設科みたいなものは不要なのだろうか。


私立高校の募集要項を見てみると、特進コース、選抜コース、とか英語科など
いろいろなコースや科、が設定されている。

公立高校がそのようにできないのはなぜなのだろうか。





理数科における問題点と思われることをまとめてみた。

 ① 将来像がまだ未確定な生徒は受験しづらい。
   
    将来、医学部に進んで医者になりたい、とか工学部に進んでエンジニアになりたい、など
    高校入試の段階で明確に理系学部への目標が定まっている生徒は理数科を受験しやすい。
    少なくとも、理系方面に進むことは間違いない、と確信している場合はいい。

    しかし、高校受験の時点では将来進む道を決定できない生徒も数多くいる。
    どんな職業に就くか、そしてそれに関連して大学の何学部の何学科に進むべきか、
    高校入試の時点ではわからない、ということは当然ある。
    その場合、理数科に合格できる学力がありながら、普通科に進む生徒も数多くいる。

    非常に高いレベルの学力を持っているが、将来理系の大学ではなく、
    文系(法学部、経済学部など)に進むことを考えている生徒もいるはずだ。
    それらの生徒も理数科に入学することに対し、躊躇する気持ちになるのも当然である。

    それに伴い、将来理系に進むかどうかはまだわからず、なおかつその高校の普通科では物足りない
    と生徒や親が感じた場合、地元から離れた理数科は設置されていないがレベルの高い進学校
    (上記の例であげたような)に学区外受験をする生徒が出てくる。
    その地域からの「頭脳流出」が起こってしまう。


 ② 理数科を受験し、不合格だったときの対応が不明確である。

    理数科は本来、学力の高い生徒にとっての目標であり、憧れの科であるはずだ。
    それなのに、なぜ理数科の定員割れが頻繁に起こっている高校が存在するのだろうか、
    ということを真剣に考えてみなくてはいけない。
    
    理数科が不合格でも普通科の合否ボーダーライン以内であれば普通科で合格させてもらえる、
    ということが明確になっていれば受験生は安心して理数科を受験できる。
    そこがあいまいであるから、生徒は(親御さんも)不安になり、理数科受験を避けることになる。

    札幌のような都市部においては私立高校との併願ができるのでまだ問題は少ないのだが、
    通学可能範囲に私立高校がない地方では、公立高校1本で受験に挑まなくてはいけない生徒が
    たくさんいる。
    理数科に合格できる力がありながらも、絶対に受験に失敗ができない、という状況で、
    リスクを避けて普通科を受験する生徒が数多くいる、という現実がある。
    
    

    さらに、普通科の志願者が定員を超えていて、理数科が定員割れしている場合、
    普通科で不合格だった生徒が理数科で受かるという、おかしな現象が起こる。
    この場合、学校にとっても生徒にとっても不利益なのではないか。

    私立高校では特進コースで受験し、特進では合格できなくても一般の普通科で合格、
    というのは当たり前のことのはずだが、公立高校ではできないことなのか。


 ③ 高校入試のときの成績だけで、高校の3年間、理数科(特別な科)が決定してしまう。

    高校に入ってから急激に学力が伸びる生徒もいる。
    反対に、高校に入ってから伸び悩む生徒もいる。
    普通科で入学したけれども、高校に入ってから学力が伸び、理数科の誰と比べても
    負けてはいない、という生徒も、理数科に転科はできない。
    逆に、中学時代よくできたので理数科に入ったけれど、あまりに勉強が難しく、
    理系はあきらめた、という場合でも普通科に転科はできない。



さて、ではどうすればこれらの点を解決することができるか。
僕が長年ずっと考えていた案を述べる。


理数科改革案
 
 ① 普通科・理数科という区別なくトータルで合格者を決定する。

   たとえば、普通科の定員が200名、理数科の定員が40名とする場合、
   まとめて上位240名を合格者とする。

 
 ② 願書の志望する科の書き方を変更する。

   次の4つの中から選んでもらう。
         
   1. 理数科のみ希望する。 普通科での入学は望まない。
   2. 理数科・普通科のどちらでもいいが、理数科を第一志望とする。
   3. 理数科・普通科のどちらでもいいが、普通科を第一志望とする。
   4. 普通科のみ希望する。 理数科での入学は望まない。


   ①で述べたように、まず2つの科の総合格者を決定し、
   そのあと理数科か普通科か、の科の振り分けを行う。

   上記の1,2,3の中から入試での成績上位者40名を理数科での合格とすればよい。
   そして残りの200名を普通科での合格とする。 
   もちろん、1,2,3の優先順位で理数科として合格させるべきであるが、
   あくまでも参考程度でいいと思う。

   このようにすれば、かなりの精度で合格者240名のうちの上位40名を理数科として
   確保できるはず。
   
   何かの事情で、1.理数科のみ希望する、という生徒もいるかもしれない。
   例えば、レベルの高い私立高校(または高専など)を併願していて、
   公立の理数科に合格した場合は公立高校に行きたいが、理数科が不合格だった場合は
   私立(または高専)に行く、と決めている場合などである。
   この場合は、1を希望している生徒が成績上位40名に入っていない場合、不合格ということになる。


 ③ 2学年への進学時、理系特設科と文系特設科の2コースに分ける。

   高2になった時点で、
          
      ・理数科→理系特設科 と名称変更する。

      ・文系特設科を1クラス新たに設置する。   


   高校入試の時点で将来の方向性が見つからない生徒もいる。

   そこで、高1の1年間でじっくりと進路を考え、理系か文系か決める猶予期間を与える。

   理数科の生徒には高2以降、理系特設科(理数科のそのままの流れ)に進むか、
   それとも、難度の高い国立大学文系を目指す、文系特設科に進むかの選択をしてもらう。

   その際、特設的なクラスが1つ増えるわけだ。

   たとえば、理数科40名のうち、理系特設科に進む生徒が25名、
   文系特設科に進む生徒が15名、というように分かれたとする。

   そうすると、理系特設科はあと15名、文系特設科はあと25名空きがあるわけだ。

   この空き分は、普通科として入学した生徒の中から、高1での1年間の成績上位者で
   補完していけばいい。

   普通科1年の生徒に、アンケートを取っておく。
   
   「2年次以降の進路調査」
    
    1. 成績上位であれば、 理系特設科 希望
    2. 成績上位であれば、 文系特設科 希望
    3. 成績上位であっても、理系普通科 希望
    4. 成績上位であっても、文系普通科 希望


    これを第3志望くらいまでアンケートを取っておく。

   このようにすれば、入学試験時に理数科に行きたかったけど、普通科になった、
   という人も、入学後のがんばりで特設科にいける、という励みになる。
  


制度、規約自体を変えないといけない点もあるかもしれない。

もし、現行の制度が時代にあわない古いものであったり、
生徒、保護者、学校にとって不利益を生じさせるものであるなら、変えればいい。
変えるべきだと声をあげればいい。
声をあげなければ、規則を作っている人たちも気づかない。

「いや、そういうのって、できないきまりだから。」
というのは、簡単だ。

でも、それでは、先に進むことができない。
[ 2013/01/28 01:42 ] 未分類 | TB(0) | CM(2)

賛成

あなたの意見に大賛成です。
とくに③のアンケートを取るというやり方は素晴らしいと思います。
私も中学のころはトップだったので何も考えず理数科に入りましたが理系よりも文系の方が得意で、
また将来法学部に進みたいと強い夢もあったので文系を目指したいと思っています。
しかし2年生、3年生になるに続き理数系が圧倒的に増え、普通科は理系、文系に分けられますが
理数科はそのままなので大変悩んでおりました。
このようなアンケートをすることで私のような理数科だけど文転したい人、理数科に入れず普通科だけど
理系を目指す人をより確実に学ぶことができると思い感激しました。
今の制度が古いですよね。私も立ち上がってみます。
それとこの記事をもっと広めることで勇気づけられたり、
高校自体の制度も変わり救われる人もいると思うのでより多くの人に知ってもらえることを願っています。
[ 2013/04/13 08:29 ] [ 編集 ]

コメントありがとうございます。

文系志望なのに理数科に属している、というあなたの悩み、よくわかります。
以前のブログ記事の「未来へはばたくきみへ」で紹介した京都大学法学部に進んだ生徒もそうでした。

問題は次の点でしょう。

・中学校も高校も、成績がいい生徒はとにかく理数科に行くように薦める。
・大学受験にむけてのカリキュラムが文系・理系では大きく違うことを高校受験時に十分に説明しない。
・レベルの高い文系志望者への対応が不十分である。

昔から続いている制度、しくみ、常識、が現在においてずれが生じているものはたくさんあります。
そのようなものに対し、制度を作っている側も、制度に従わなくてはいけない側も、
常に改良・改善の精神を持っていなければいけないはずです。

僕もこの記事は多くの人に読んでほしいと思っています。
いろいろなかたに薦めていただければありがたいです。

勉強がんばってください。
[ 2013/04/15 05:04 ] [ 編集 ]

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